泥地二枚綴(半紙二枚分の大きさ)に描かれた『十三仏』の掛軸です。
表装には、丹波木綿の古布が使われています。
絵の周りは墨で枠取りしてありますが、これを“描き表装”と呼びます。
江戸期の大津絵仏画は、本式の軸装の代わりとして、この描き表装した絵の部分だけを販売していました。
『十三仏』は大津絵最初期から存在する仏画で、当初は実用品として法事等で掛けられました。
泥地、二枚綴り、描き表装、版木押し、合羽刷り、分廻しと、大津絵を特徴付ける技法が一通り使われています。
仏画ではあっても、筆致の淀み無さや極限まで削ぎ落とされたシンプルさなど、大津絵の魅力を良く伝える絵として根強い人気があります。
高さ1376×幅379(軸先含めて432)mm
画題の詳しい解説は
『十三仏』(www.otsue.jp)も是非ご覧ください。